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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼ラディカルな紛失の回顧と展望
▼ラディカルな紛失の回顧と展望_d0017381_10345351.jpg先日の「ラディカル・メディア・アクティヴィストの
回顧と展望」
の帰り道、ついうっかりして、山の手
線の車内に、かばんを置き忘れてきた。NYから
帰った後、たまってた仕事をドタバタと片付けた、
その疲れと時差ボケのせいで、車内で居眠りを
してしまい、電車を降りて、ハッと気がついたら、
かばんがなかった。終電だったので、翌朝、
JRの落しもの係と交番に遺失物届けを出した。
今日で3日目になるが、依然として連絡はない。
重くて大きなかばんで中身も多く、どこかにまぎ
れてこんでしまうようなものではないので、きっと
誰かが持っていってしまったのだろう。今日まで
連絡がないところをみると、たぶん、もうこのまま
もどってこないと思う。そういうものだ。

ちなみに、失くしたかばんの中身は下記の通り。

【遺失物】
▼ノートパソコン (150GB)
▼ハードディスク (160GB)
▼反G8 CD
・「MOVE AGAINST G8」
・「DISSENT」
・MOD ROS 「NO G8 ACTION JAPAN SOLI」
・INB 「NO G8 ACTION JAPAN BENEFIT」
・「自力」
・「反対!先進八カ国頂上会議」
▼反G8 DVD
・「G8-TV」
・「G8MN-TV」
▼反G8ポスター
・「NO! G8 ACTION JAPAN」
・「叛爺八直訴団」
・「G8対抗国際フォーラム」
▼不起訴処分証明書
▼釈放要求横断幕
▼クラウンアーミーのつけ鼻
▼プレスの記者章
▼RLL 「フリー・イルコモンズ・Tシャツ」
▼はーぴー 「フリー・イルコモンズ・バッジ」
▼ドクターパルス 「フリー・イルコモンズCD」
▼逮捕から不起訴までの新聞
▼反G8チラシ
▼反G8ジン
▼プリント
▼謝金

▼ラディカルな紛失の回顧と展望_d0017381_1535789.jpg
▼ラディカルな紛失の回顧と展望_d0017381_15353369.jpg
みたとおり、反G8関連の資料やデータがほとんどで、そのほとんどが、なくなってしまった。CDやDVDは注文すれば、また手に入ると思うが、そのうちいくつかは既に品切れになってる。なにより、せっかくつくってもらったフリーイルコモンズTシャツやバッジ、そしてミックスCDをなくしてしまったのが、申しわけない。もし、まだ残っていたら、これはぜひもう一度手に入れて、末永く持っておきたいので、RLL、はーぴさん、パルスさん、どうぞよろしく。惜しいのは、逮捕された時にキャンプでこしらえてくれた「釈放要求の横断幕」。これはどこにも売ってない、世界にただひとつきりのものなので、本当に惜しいことをした。これがいちばん残念だ。あと、逮捕された時に身に着けてたクラウンアーミーのつけ鼻とかプレスの記者章は記念にとっておこうと思っていたので、これも惜しいことをした。新聞やチラシやプリントはまたコピーすればいい。お金は「天下のまわり」ものなので、まるで問題なし。どうせいつかは消えてなくなるものだ。記憶もなければ思い出もない。どこにでもあるし、いくらでも替えがある。問題はノートパソコンとハードディスクで、この中には「イルコモンズ・トラベリング・アカデミー」や「イルコモンズ・キャンプ」の膨大な資料データのほか、「文化人類学解放講座」の教材データもはいってた。映像データがほとんどなので、全部あわせると300ギガバイトある。たいした量である。映像を全部みようとしたら、60時間以上かかるだろう。そして見終わった後には、世界観が変わるだろう。

▼ラディカルな紛失の回顧と展望_d0017381_1043446.jpg
失くしたデータも膨大だが、メモリー(思い出)も少しある。このノートパソコンは「イルコモンズ・トラベリング・アカデミー」や「文化人類学解放講座」の時にいつも持ち歩いていたもので、写真のように、誰のものか一目でわかるように、ステンシルで大きく名前を書き、しるしをつけていた(本当によく落し物をするので、なんにでも名前を書くのだ)。ちなみに、上の写真は札幌のリブート・キャンプのときのもので、白い方(左側)が今回なくしたもので、銀色の方(右側)は北海道でなくした。つまり今年になって、これでパソコンを二台とハードディスクを二台なくしたことになる。さすが厄年である。しかもハードディスクは同じメーカーの同じ機種だ。二度あることは三度あるというので、次も同じものを買おう。来るなら来いである。それはともかくも、今回なくしたパソコンは、逮捕された時にトラックの上でDJに使っていたもので、こないだニューヨークにも持っていった愛用のものだったので、これもちょっと惜しい、というか、かなり不便である。ここ数日、ブログの更新やメールの返信が滞っていたのもそのせいである(すみません、もうすぐ返事します)。それに考えてみれば、この数年、「イルコモンズのふた」を書いていたのもこのパソコンだった。

そのパソコンとデータが全部消えてなくなってしまった。しかし、これまでアカデミーやブログで提供してきた情報や知識、そして記憶は、その場にいた人たちやそれを受け取ってくれた人たちのなかに少しづつ分配されて残っているはずなので、それでもう十分である。つまり「役目を終えた」ということなのだろう。ちょっと目をつぶってたあいだに忽然と、まるで魔法のように消えてしまったのは、たぶんそういうことなのだろう。その役目が終わったから、それは消えたのだ。もちろん、さっぱりした、とは云わないが、そう考えると、なんだか気も楽である。一方、気になるのは、このアナーキーなかばんを持っていった人が、かばんの中身やパソコンをみて、はたして何を思ったのだろうかということ、そして、これから一体これをどう使うのだろうかということである。「イルコモンズってなんだ?この映像はなんだ?反G8?逮捕?のびのび?不起訴?」と思ったと思う。かばんのなかには、謝金以外、金目のものや売り物になるものは何もないし、パソコンはペイントしてあるので、中古店でも買い取ってくれないと思う。あ、あと、パソコンの電源をいれると、ウィンドーズではなく、ウブントゥが起動するよう設定にしてあるので、注意が必要です。もし、このブログをみてたら、その点、どうか注意してください。起動選択画面からXPを選べば、ウインドーズも使えます。ウインドーズが起動すると、「致命的なエラーが発生しました。現在のアプリケーションを強制終了し、保存していない情報はすべて失われます。」という画面表示がでますが、それはただの「壁紙」なので、そのまま正常に作動します。それと、ハードディスクにはウイルスが残ってる可能性がありますので、パソコンのなかにある avast-anti wirus を使って駆除してください。そのほか、いろいろ使いにくい設定にしてますが、どうか大事に使ってください。なんなら、代わりにこれでイルコモンズ・アカデミーをやってください。やり方は教えますから。

▼ラディカルな紛失の回顧と展望_d0017381_1050567.jpgなんだか話がそれてしまったが、今回の不幸中の幸いは、ちびこもんずを失くさなかったことに尽きる。行きがけの電車では、失くしたかばんの中に入れていたのだが、帰りの電車では、リュックに移して背中に背負っていたので、危うく難をのがれた。ちびこもんずを失くしてしまうことを考えれば、たいていのものが失くなっても、だいたい平気である。もし、ちびこもんずまでなくしていたら、とても立ちなおれなかったと思う。人形とはいえ、ちびこもんずは、自分の分身のようなもので、世界にひとつきりしかない、本当にかけがえのないものなので、ちびこもんずを失くさなかったことの代償だと考えれば、パソコンもデータもなにもかも安いものである。考えてみれば、北海道でもそうだった。北海道でもパソコンとハードディスクをなくしたが、そのときも、ちびこもんずだけは無事もどってきた。こうみえても、結構、信仰深い性質なので、こどものころから、何か災難にあったときは、「小難が大難にとって替わってくれた」と、そういうふうに考えるクセがついてる。何かを落としたとしても、命を落とすことの替わりだったと思えば、むしろ命拾いをしたともいえる。それに(今年の)G8はもう終わったのだから、終わったことを回顧するより、次のことを展望し、また一からはじめようということだ。身軽になって、次にすすもう、ということだ。ちびこもんずと共に。「ナンニモナイ、ちびこもんず以外は」というところから、またのびのびとはじめよう。次にやりたいことはもう決まってる。パソコンでデザインしたり映像を編集するのもいいが、もっと自分の手や足を動かして、ものを切ったり、貼ったり、塗ったり、文字を書いたりしたい。旅もしたいし、料理もしたい。自転車の修理もしたい。「G8が終わったらやろう」と思っていたことが山ほどある。かばんをなくしたことで、いい区切りがついた。「よし、次に進もう」と背中を押された感じだ。進む方向も決まっている。ものごとが混迷しているときは「原点にむかって進め」、これである。そういえば、札幌の留置所で読んだ、ある小説のなかにこんな一節があったのを思い出した。

「夢はつづいている。
 わたしは、だれにも捕まらない。
 わたしは、どこにも留まらない。
 わたしは、たぶん、遠くへ行く。(以下次号)」

この後、釈放されたので、このつづきがどうなったかは知らない。

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[追記] データがなくなってしまったので、とりあえず今年いっぱいは「イルコモンズ・トラベリング・アカデミー」は休止します。「文化人類学解放講座」のデータはちゃんとバックアップをとっているので、平常通り、行います。今晩のPARCでの講座はこれからなんとかします。そのほかの講義や講座もなんとかします。原稿と映像の編集もすこし遅れますが、なんとかします。

▼PARC自由学校2008講座
「メディア・アクティヴィズム―もうひとつのメディアは可能だ」
[日時] 2008年10月7日(火)19:00-21:00
[場所] アジア太平洋資料センター(PARC)
東京都千代田区神田淡路町1-7-11 東洋ビル
[講師] イルコモンズ
「カルチャー・ジャミング~文化をうらむな文化になりすませ」
改め「ラディカル・メディア・アクティヴィストの回顧と展望」
e-mail:office@parc-jp.org
by illcommonz | 2008-10-07 11:10
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