さらにもうひとつ、今日が〆切りの原稿を書く。といっても書いたのは、タイトルを兼ねた本文、ただ一行のみ。あとは、引用と写真と映画の紹介記事。それをモンタージュして、割りあてられた見開き2ページをうめた。これは、この夏のG8サミットの時に行われた札幌のオルタナティヴ・キャンプについての自主出版の報告書。「書く」という場面でよく「運動の簒奪」とか「表象の横領」といったことが起きてしまうので、「文化表象のポリティクス」の問題以来そういう問題に敏感にならざるを得ない人類学者(のなりそこね)としては、「いかに書かずにすますか」ということに腐心する。そのかわりにキャンプについての短編映画をつくった。とはいえ、それも、すでにある映像を再編集しただけのもの。どうやら「ライティング・カルチャーショック」の後遺症が依然として尾をひいているようだ。トリン・ミンハは「すべてを語り尽くさぬこと」「そばに寄り添いながら書くこと」とは云うが、いまだにその方法がみえてこない。「四人称複数で書くこと」。それはもうやった。「共に書くこと」「モンタージュで書くこと」。それはどこまで可能だろうか?と、そんな調子で、要らぬ神経を使ってたら、また熱が出てきたので、本日休筆。