[今日のにゅーす]
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「軽さ」際立つ首相発言=失言と軌道修正-与野党が批判
「麻生太郎首相の不用意な発言に与野党から批判が相次いでいる。首相は20日、日本医師会(日医)の唐沢祥人会長に、「社会的常識がかなり欠落している人が(医師に)多い」などとした自身の発言を撤回、陳謝したが、与党内からも首相への苦言は続出。政策に関しても前言撤回や軌道修正が目立ち、与党内には首相発言の「軽さ」を懸念する声が強まっている。「まったく言葉の使い方が不適切だった」。首相は同日午後、「医師常識欠落」発言の抗議に訪れた日医の唐沢会長に頭を下げた。民主党の菅直人代表代行は同日の記者会見で「常識がないのは首相の方ではないか。本人が非常識だ」と批判した。与党からも「指導者の一言一句に国民の注意が集まる。影響を考えて発言していただきたきたい」(津島雄二元厚相)などと厳しい声が出た。生煮えの政策をぶち上げてしまう首相への不満も政府・与党内には根強い。道路特定財源の一般財源化に伴って地方に配分する1兆円について、首相は19日は地方交付税で配る方針を表明したが、自民党道路族が反発するや、20日は「自由に使えるなら何だっていい」とあっさり軌道修正した。定額給付金の所得制限の是非をめぐっても、政府・与党決定まで首相の発言が二転三転したのは記憶に新しい。民主党の菅氏は「いろんな発言で迷走している『迷走総理』だ。首相としての資質を欠いている」と指摘した。与党内には「(首相は)トップダウンでアピールしたいのだろうが、やることなすこと全部裏目。このままでは政権は駄目だ」と弱気な声も出始めている。」(時事通信 2008年11月20日)