さて ぼくらは もう一度
倉庫や 物置きや 机の引出しの隅から
おしまげられたり ねじれたりして
錆びついている<民主々義>を探しだしてきて
錆びをおとし 部品を集め しっかり くみたてる
<民主々義>の<民>は庶民の民だ
ぼくらの暮しを なにより第一にするということだ
ぼくらの暮しと 企業の利益とが ぶつかったら
企業を倒す ということだ
ぼくらの暮しと 政府の考え方がぶつかったら
政府を倒す ということだ
それが本当の<民主々義>だ
ぼくらは ぼくらの旗を立てる
ぼくらの旗は 借りてきた旗ではない
ぼくらの旗のいろは 赤ではない 黒ではない
もちろん白ではない 黄でも緑でも青でもない
ぼくらの旗は こじき旗だ
ぼろ布端布をつなぎ合せた 暮しの旗だ
ぼくらは 家ごとに その旗を 物干し台や屋根に立てる
見よ 世界ではじめての ぼくら 庶民の旗だ
ぼくら こんどは後へひかない
(花森安治「見よ、ぼくら、一銭五厘の旗」より)
今日は仕事の帰りに新宿のIRAに寄って、毎週木曜にやってる、
縫うアクティヴィズム・NU★MAN in IRA、通称「ヌーマニラ」で、
花森安治の「民主々義の旗=こじき旗」を協働でこしらえた。
何年も前からやりたいと思っていたことが、やっと実現した。
ひとつとして同じ柄のない、いろんなサイズのこじき旗を
これからたくさんこしらえて、万国旗のようにつなげ、
いつかどこかに飾ってみたい、とそう思っている。
縫い物のあいまに「カズー・オーケストラ」の練習もやった。
誰でも必ず吹ける世界でただひとつの管楽器で、
誰でも等しく参加できるデモクラシー楽団をつくりたい。