「おい、イルコモンズ。」
「なんだ、ちびこもんず。」
「せんそう、はじまった?」
「せんそう、はじまったよ。」
「なにかしないの?」
「なにかするよ。」
「じゃあ、いますぐして。」
「しなかったら、どうする?」
「くちをきかない。」
「ほかには?」
「ぜっこうするかもしれない。」
「ほかには?」
「いえでするかもしれない。」
「ほかには?」
「だっこさせてやらない。」
「え~!」
「いっしょにねてやらない。」
「え~!」
「いやなら、すぐはじめて。」
「ちびこもんずはなにをする?」
「やまねこさんとすとする。」
「山猫さんトースト?」
「やまねこさんとストする。」
「山猫ストか。」
「そう、やまねこさんスト。」
「もうやってるじゃない。」
「そうだよ、もうはじめるよ。」
「なかなか、やるねぇ。」
「これは、あいのストだよ。」
「え、誰にそんなこと教わった?」
「おしえない。」
「どうして?」
「スト中だから。」
「それはこまったね。」
「・・・・・。」
「ん。」
「・・・・・。」
「ふむ。」
「・・・・・。」
「ふむむ。。。」
(停戦までつづく)
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【山猫スト】(やまねこ・すと)名詞 ・・・・一部の組合員が組合指導部の承認を得ず、独自に行うストライキ。Wildcat Strikeを直訳した語で、山猫争議ともいう。