はじめに、ふた、ありき
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「今回の戦争の(イスラエル側の)公式名称は「鋳(い)られた鉛(なまり)作戦 (Operation "Cast Lead")」と言い、ユダヤ教の「ハヌカー」(ユダヤ教の祭り。灯明の祭りとも言う)で使われる玩具(コマ)についてのわらべ歌の歌詞の二語に由来する。しかし、もっと正確には「選挙向けの戦争」と呼ぶべきだろう。」(ウリ・アヴネリ)
▼「イスラエル軍 住民を住宅に集め砲撃…30人死亡」 「国連人道問題調整事務所(OCHA)は9日、パレスチナ自治区ガザ地区のガザ市近郊のザイトゥン地区で、イスラエル軍によって誘導される形でパレスチナ人市民約110人が集まっていた1軒の住宅に、同軍が複数回砲撃を加え、子供を含む約30人が死亡したと発表した。負傷者が運び込まれた同市のシーファ病院は死者数を32人としている。OCHAは住宅内にいた半数は子供だったとし砲撃を非難、同病院の救急医療部長も「虐殺だ」と非難している。」(毎日新聞 2009年1月9日) 「言葉が指し示す具体的な、生きられた現実を想像するよう努力してください。 たとえば「戦争」というような言葉。」(スーザン・ソンタグ) これほど一方的な虐殺や殺戮を、はたして「戦争」と呼べるのかどうか疑問だが、ほかに呼びようがない。これは「戦争」である。「ガザ戦争」である。したがって、この戦争に抗議したり反対したりする表現や行為は、一般に「反戦活動」と「呼ばれ」、この戦争を支援し容認する国では「反体制」と「呼ばれ」る。ましてや戦争の当事者である国では「裏切り者」とののしられるが、それでも黙ってない人びとはいる。イスラエルにもいる。一万人いる。 ▼3/1/2009 テルアビブ(イスラエル)での反戦デモ (Thousands of Israelis protest against the war in Gaza おなじく、この戦争に「危惧」や「憂慮」を表明する国においても、戦争に抗議する表現や行為は「反戦活動」と「呼ばれ」、ここでも一方的に「反」のしるしをつけられる可能性がある。また「政治」のしるしをつけられる可能性だってある。とはいえ、これまでもずっとそうだったし、これからもずっとそうだろう。だが、たとえなんと「呼ばれ」ようとも、どんなに「反」や「政治」のしるしをつけられようとも、「さて、ところで、デモだけど、どうする?」と、のびのびやるほうがいい。しかるべきときに、やれることは、やれるだけ、やったほうがよい。いうまでもないことを、あえていうが、表現および言論の自由、ならびに、集会・結社の自由を保障する民主主義の国では、デモは合法的な行動であり、国民の権利として認められている。そして、こういう意見もある。 「幸福とは、考えること・云うこと・行動することが調和している状態である」 (ムハトマ・ガンジー) デモをやっても戦争はすぐにはとまらないが、デモにはこういうおさえがたい幸福がある。考えたことを・ことばにし・実行する・という、人間としての三身一体の仕合わせがある。それを共に誰かと分かち合うことで、その仕合わせはさらにかがやきを増す。そういう仕合わせのかたまりが、わさわさと群をなして街にやってくるデモには、本当の民主主義のかがやきがある。電気を必要としない見えないかがやきがある。こういうポジティヴな情動や力がなければ、とめられるはずのものもとめられない。とめられたはずのものをとめることができなかった、と後でくやまずにすむ。反対するものが大きければ大きいほど、かがやきが必要だ。起きていることが悲惨であればあるほど、希望が必要だ。闇をうちけすのは常に光であり、沈黙をうちやぶるのは雑音であり、封鎖をこじあけるのは流れである。ただし、「この幸福を知ってる人間たちはおそれを知らない」ということにおそれをいだく政府が、この幸福を「乱れたもの」だとしておさえつけにやってくることがあることだけは知っておいたほうがよいが、「でも、さて、ところで、デモだけど、どうする?」ときりかえすワザ(Tips)も知っておいたほうがよい。ところで、今日のデモだけど、 ▼10/1/2009 東京 「ガザに光を!即時停戦を求めるピースパレード」 [日時] 2009年1月10日(土)15:30集合 16:00デモ出発 [場所] 東京都港区 芝公園23号地 http://www.ngo-jvc.net/jp/event/2009/20090110_gaza.html ▼10/1/2009 大阪 「許すな!イスラエルのガザ侵攻1.10緊急行動」 [日時] 2009年1月10日(土)14:00集合 14:45デモ出発 [場所] 中之島公園女神像前 ▼10/1/2009 那覇 「イスラエルによるガザ侵攻に対する抗議の集会とデモ」 [日時]2009年1月10日(土)15:00集会、16:00デモ出発 [場所]那覇市久茂地、県庁前広場 ▼10/1/2009 札幌 「人殺しはやめてください いのちの行進」 [日時] 2009年1月10日(土)16:30集合 17:00デモ出発 [場所] 札幌市大通り西1丁目テレビ塔前・札幌北光教会前。 今日の東京の 天気は晴れである。 雪が降らないのが残念だ。 雪の日のデモはきれいだ。 まっしろな雪のなかを 白い息をはきながら、 デモの人びとが進んでゆく その映像をガザの人たちが みたらどう思うだろう。 雪の中にパレスチナの旗が はためいてるのをみたら、 どう思うだろう。 雪が降らないのは残念だが、デモは進む。 ----------------------------------------------- [追記1] 考えてみれば、いまから6年前、イラク戦争に反対する「殺すな」の最初のデモは、 芝公園からはじまった。「東京タワーからつづいてく道」ではじまった。また同じことの くりかえしのようだが、これから共にデモする人たちの顔ぶれはかわっているだろう。 その当時、「ぼくらの住むこの世界にはデモをする理由があり、犬は吠えるがデモは 進む」という文章を書いた。そのとき、一緒に替え歌もこしらえた。結局、どこにも 発表しなかったが、たしか、こんな歌詞だったと思う。 とおくまで旅するひとたちにあふれる仕合わせを祈るよ ぼくらの住むこの世界にはデモに出る理由があり、 よろこびとかなしみがときにたづねる。 ------------------------------------------------- [追記2] ▼イスラエル、ガザ攻撃を続行 安保理決議を無視 http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090109AT2M0904L09012009.html 「イスラエル軍は9日、国連安全保障理事会が採択した停戦を求める決議を無視してパレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けた。イスラム原理主義組織ハマスも決議を拒否、イスラエル軍の空爆や砲撃で少なくともパレスチナ人18人が死亡した。イスラエル政府は同日の治安閣議で今後の作戦方針を確認、都市中心部への侵攻など戦線の拡大に動く可能性がある。イスラエルのオルメルト暫定首相は「イスラエル軍は国民を守る作戦を続ける」との声明を発表。中東の衛星テレビ局アルジャズィーラによると、ハマス報道官も「我々は安保理決議に拘束されない」と述べて戦闘継続の意志を強調した。イスラエルによる攻撃開始以来ガザ地区ではパレスチナ側の犠牲者が780人を超え、人道危機への懸念も強まっている。拘束力を持つ安保理決議でも状況の悪化に歯止めをかけることができず、ガザ情勢は混迷の度を増している。」(日経新聞 2009年1月9日)
by illcommonz
| 2009-01-10 02:28
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