
「漢字を読み違えるこの国の宰相にあきれ、この間まで「麻生総理は誰かと代わった方がいい」と言っていた小学生が、ここ数日「小沢代表も信じていいのかどうか分からない」と困惑している。拙宅での光景だが、恐らく多くの親が現在の西松建設の巨額献金事件をめぐる政局の混乱を子どもに説明する言葉に窮しているのでは。検察当局には厳正な捜査を求めたい。その一方で与野党に加え、検察当局も巻き込んだ罵詈(ばり)雑言の浴びせ合いには、ため息が出る。総選挙を意識した“場外乱闘”も行き過ぎると「そんなことしてる場合か」と言いたくなる。生活危機にあえぐ国民は、実効性ある雇用創出や暮らし、社会保障、環境・エネルギーにかかわる諸施策をどうするか、まじめな議論が聞きたいはずだ。(...) 与野党が足を引っ張り合っているその瞬間にも、次代を担う子どもたちまで政治不信は拡大している。」
(琉球新報
「金口木舌」2009年3月7日より)