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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼NO!といえるカスタマイズ
d0017381_10173755.jpg
「ユーザーが自由にカスタマイズできる豊富なオプションをそなえている」というのは、
こういうことだと思う。このアラートをみるたび、「こら!頼んでもないのに勝手なこと
するな、ばか!」と怒鳴りつけたくなるのはイルコモンズだけではないはずだと思う。
そもそも「ユーザーの率直な意見や声を聞く」というのは、こういうことなのではないか。
by illcommonz | 2007-10-12 10:20
▼48 HOURS
d0017381_8555628.jpgWORK AND NO PLAY MAKES
ILLCOMMONZ A DULL GUY.

"All work and no play makes Jack a dull boy"
= A person who never takes time off from
work becomes boring and bored.
(The New Dictionary of Cultural Literacy)
by illcommonz | 2007-10-12 08:56
▼DISSENT!=決定の束縛から自由であること
d0017381_17443049.jpgきょうは、どいつからきた、
かっぱつで、げんきな、
おともだちたちと、
なかよしぱーてぃをする。
ぼくもいくから、きみもこい。
(ちびこもんず)

[ついき]
かわいがってもらた (^.^)
by illcommonz | 2007-10-06 17:47
▼エコ・アニミズム原論
d0017381_17262522.jpg「僕らはみな非連続の存在であって、理解できない運命の中で孤独に死んでゆく断片である。でも僕らは「失われた連続性」に対するノスタルジーを持っている。僕らは自分たちが偶然の断片であり、やがて死ぬべき断片であるという、僕ら人間が置かれている状況に耐えることができないのだ。僕らは自分たちがやがて死ぬべき断片であり続けるという事実にいつも不安を感じていると同時に、僕らすべてを再び存在に結びあわせる、あのはじまりの連続性への想いを常に持ち続けている」 ジョルジュ・バタイユ「エロティシズム」(イルコモンズ訳)
..........................................................................................

d0017381_1729433.jpg[追記]
▼「生きている不思議、死んでゆく不思議、花も風も街も、
みんなおなじ」(覚和歌子「いつでも、何度でも」より)
▼「奇跡は誰にでも一度おきる、だが、おきたことには
誰も気がつかない」(楳図かずお「わたしは真悟」より)
by illcommonz | 2007-10-06 17:28
▼あらゆる場所にインフォショップが/あらゆる場所がインフォショップに
d0017381_17132871.jpg[昨日の晩、話しそこねたこと]
ドイツのレジスタンス運動からはじまった
インフォショップは、D.I.Y.とフリーダムと
シェアとギフトでできている。たとえ紙きれ
一枚からでもそれははじまり、ショップが
なくたって、ひとがふたりいれば、そこが
インフォショップになり、「愛」がうまれる。
「愛」とはなにか?イルコモンズは語る・・・

d0017381_1714654.jpg▼「愛について」
「ゴダールの過去と未来の映画から
リフレインのように響いてくる言葉が
あります。これがそうです。

「国家の理想とは、ひとつになること。
しかし個人の夢は、ふたりでいること」


まず、過去の映画とは、1991年にゴダールが撮った『新ドイツ零年』のことで、未来の映画とは、この『愛の世紀』の後に撮られた『アワーミュージック』のことです。ゴダールは自分の映画のなかでこのことばを二度引用しています。もともとこれは、第二次大戦中、ナチスのファシズムとユダヤ人の虐殺に反対する抵抗運動を行ったために逮捕され処刑されたドイツの大学生ゾフィー・ショルのことばで、このゾフィー・ショルのことは、いまちょうど『白バラの祈り』という映画になって公開されているところです。『新ドイツ零年』には、このゾフィーが兄のハンスとともに、統一されてひとつになったドイツに、まるで亡霊のように現われるシーンがあり、そのシーンにこのことばが引用されます。一方『アワーミュージック』では、レジスタンスの集会への参加をよびかけたレルネルに対してフランス大使がこの言葉を口にします。

今回の字幕では「国家の夢は一人のもの、個人の夢は二人のもの」と短く縮めて訳されてましたが、もともとは同じ言葉です。この言葉の意味はいろんなふうに解釈することができますが、ひとつにはまず、国家というものはつねに一つになることを願うが、それに反して個人は二人でいたいと願う、というのがそれです。同じくこれは、国家は人を一人きりにしておこうとするが、それに反して個人は二人でいようとする、というふうにもとれます。いずれにせよ、国家の野望と個人の願望はつねに相反するものであって、「一であること」を求める国家に抗して個人は「二であること」を願うというわけです。かたや『愛の世紀』では、ゾフィーのこの言葉のかわりにバタイユのこの言葉が二度引用されていました。

「国家、国家というが、国家ほど
愛されるものとかけはなれたものはない。
国家と愛の崇高さは、対極にある」

ここでは「国家」と「愛」とが対極の関係にあるということが云われていますが、これとさきほどの言葉をあわせ読むと、そこでは「二であること」と「愛」とがむすびつき、この「二であることの愛」は、一なる国家への「抵抗」として存在することになります。そこで、もしこういってよければ、ゴダールが『愛の世紀』の「第二部」で描こうとした「愛」というのは、いわば「国家に抗する愛」であり、国家が求める「一」に対して「二」であろうとする「抵抗の愛」ではなかったのかと思うのです。

そして、かつては「国家」というものが「一であること」を求めてきましたが、いまではその国家を超えたものが「グローバリゼーション」という名のもとに地球を「愛なき一の世界」にしようとしています。そんな「愛なき世紀」のはじまりの年にゴダールは、まるでそれに抵抗するかのように「二であること」とその「愛」を描きはじめたわけです。

「<一>なる国家と歴史の孤独に抗する<二>であることの愛とそのはじまり」より
http://www.godard.jp/ourmusic/ourmusicbakuretsutalkshow8.htm
by illcommonz | 2007-10-06 17:23
▼インフォシェアリング
d0017381_172526.jpg昨日の夜、下北沢の気流舎でひらかれた
インフォショップ・イベントについての
RLLの間宮くんによるレポート。
▼「インフォショップの作り方!!」(動画あり)
http://mixi.jp/view_diary.XXXXX
上記より、mixi ユーザー以外の方にも、
全文無断転載でシェアします。

▼「インフォショップの作り方!!」
昨日はシモキタは気流舎で行われた上記のイベントに行ってきましたー いやあ、めちゃくちゃ楽しかったです。グローバリゼーションによってばかでかい資本がどんどん流通や風景、欲望を均一化していくクソな世界。安く買い叩かれた労働力や激しい競争で広がる格差。そんな残酷で人非人な世界に覆われていく今、僕達が抵抗するために集まるアジト(アジテーションポイント)である、インフォショップを作ろう!って集まり。インフォショップではアマゾンや大型書店では絶対変えない情報や、コンビニ、ファミレスでは絶対食べれないベジ食に、ユニクロやシマムラじゃ絶対変えないオリンジナルでDIYな服なんかも買えて、だらだらまたーりとデモやらパーティーの話が繰り返される!って言ってもよくわかんないよ!!インフォショップって何よ?って話ですので、IRAのナリタさんが世界中で集めてきた写真やら動画を見せて世界のインフォショップ事情みたいなものを説明してくれました。

★アメリカ
二人の女の子が全米を旅してインフォショップを訪ね歩き、店主やら運営主体、お客さんにインタヴューしたリビングスペースというドキュメンタリー映画を見る。現在、アメリカでは100軒ほどのインフォショップがあるらしい。アメリカでは多様な他者が共生する公共圏という概念が常に権力によって規定され、ホームレスや職にあぶれた若者など、社会的弱者が常に「公共圏」から排除されてきた。湾岸戦争以降そういった公共圏ではなく自分達で自分達の居場所を作ろうと自主運営的なインフォショップが数多く作られた。しかし、最近ではそれも減りつつある。

★ドイツ
ナリタさん曰く、「ドイツは規模がデカすぎて参考にならないかも(笑)」ってなくらいすごすぎる。ドイツ。旧東ドイツの古い、誰もすまなくなった建物を占拠し、大勢の人々が自主運営して共生している。オペラハウスを占拠した場所なんてライブハウスが3つくらい?入っていたり、動画に出てくるように空き地に勝手にトレーラーハウスを持ち込んでゲイ、レズビアン系の運動家が事務所や住宅にしている。以前はその通りや区画が全部スクワットだった場所もあったそうな。すごい。ドイツはあまりに規模やら質がさまざまなので、インフォショップという概念が薄まってしまうそうな。例えば、普通にそこらへんにあるオサレなカフェさえドネーションでベジ食が食べれてアンチG8のフライヤーやジンがあったりとか。

★イルコモンズさんより
まず、インフォショップに必ずあるものは?といえば・・・・ ジン(同人誌)ポスター、ステッカーである。そこで、WEB上にあるインフォショップ?を見てみよう!ってことで・・・
http://www.crimethinc.com/

ここはさっき言ったように、ジンやポスター、ステッカーを売ってる。デザインもかっこいいし、内容もいい。例えば・・・
http://www.crimethinc.com/tools/

このページのステッカーなんかはダウンロードして自分でばら撒ける!さっそく今日もシールにして持ってきました。(配る)これは(http://www.crimethinc.com/tools/stickers.html)上から監視カメラ批判。次は、この場所はコミュニティがあるから警察はいらない!警察は出てけ!みたいな。次はこの電話は盗聴されていますよ。という内容。ここでナリタさんが「実際にこのステッカーがいっぱい張ってあった」とのこと。あと、新聞やジンもダウンロードできて自分で配れるんだそうな。

そしてIRAもよく商品を買い付けているAKpress
http://www.akpress.org/

★ BOOKCROSSING (http://www.bookcrossing.com/)
参加者の女性から、インフォショップのライブラリ(図書館)のWEB版?ってことで「ブッククロッシングはやってないんですか?」の質問。なんじゃそりゃ?ってことで加藤さんから説明。「これは本にIDを付けて友人や公園のベンチなんかに本を置いていって、次の人に渡すの。そうすると園人がIDをホームページ上でチェックしてその本の流れてきた履歴を辿れるってシステム。本に書き込みをしたり、それでいろんな人が交流できる。僕も日本でやってるけど、まだ日本ではそれほど広がってないんだよー」ってことでイルコモンズさんが「じゃ、CDでやりましょうよ」って、ダブって買ってしまったECDを提供。最初は加藤さん、次は僕。これ、ネットで追えるようになるのかな?ブックシェアやCDシェアもどんどんやっていきたい!!

★Ubuntu/ウブントゥ (http://ja.wikipedia.org/wiki/Ubuntu)
最後にイルコモンズからウブントゥの紹介。これはリナックスの進化したヴァーションでこれまでのリナックスはフリーソフトでも高度な専門的知識がないと使いこなせなかった。しかし、ウインドウズやマックのOSが使えれば誰でも使えるというレベルのものがようやく登場。それがウブントゥだ。南アフリカの人が作ったのもので、意味は「他者への思いやり」や「誰かのための私」といった意味だそうだ。普通パソコンを買うとOS代というのがかかってそれが一万円くらい取られている。だからビルゲイツが大もうけしているのだ。かってこの抱き合わせ商法に怒って「OSはいらないから一万円返せ!」と訴訟した人がいたそうな。ウブントゥはもちろん無料。DELLのPCでも有料のOSを積んでないモデルに最初からこのOSを積むようになってる話も。あと、ワードやエクセル、イラレなんかも使える。ただ一つの問題はDVDを見るソフトが権利問題で入ってないそうな。ま、これも裏ワザで使えるようにできるとのこと。

★最後に・・・・
インフォショップは日本だとIRAやあかね、気流舎、ポエトリーインザキッチンなどなどまだ少ない。どんどんこの先増えてほしいし、店舗がなくても個人個人が自分の部屋に友人のジンやポスターステッカーやDIY製品を置いて、友達を呼んで売ったり交換すればそこはインフォショップだ。どんどんこれを繰り返していけば、そのうちお店が持てるかも!?君がインフォショップになればいい!さあ、はじめよう!

以上、

.............................................................................................

以上、

[関連エントリー]
▼インフォアクション (「イルコモンズのふた」2007年10月4日)
http://illcomm.exblog.jp/6303091/
by illcommonz | 2007-10-06 17:09
▼姓はグエン、
d0017381_15572997.jpg

名はベト、
ベトナムのベト、
ベトコンのベト、
ベトナム戦争のベト、
ベト・ドクのベト、
北爆の生まれ、
枯葉剤育ち、
ホーチミンに
死す。

Nguyễn Việt
(1981-2007)


「訃報 グエン・ベトさん26歳=ベトナム結合双生児の兄」
ベトナム戦争中に米軍がまいた枯れ葉剤の影響とみられる結合双生児の兄として生まれたグエン・ベトさんが6日、ホーチミン市のツーズー病院で死去した。26歳だった。「ベトちゃん、ドクちゃん」の愛称で親しまれるとともに、枯れ葉剤被害が日本でも注目される大きなきっかけとなった。脳障害のため同病院で寝たきりの生活を送っていたが、今年5月末ごろから肺炎などを発症して体調が悪化していた。ベトさんは81年、ベトナム中部の農村で、弟のドクさんと下半身がつながった状態で生まれた。86年にはベトさんが急性脳症を発症し、特別機で日本に移送されて治療を受けた。88年に日本の医師も協力してツーズー病院で分離手術に成功。ドクさんは松葉杖を使って歩けるまでになったが、ベトさんは同病院で入院生活を続けていた。ドクさんは昨年12月に結婚し、同病院でコンピューター事務の仕事に従事している。 (毎日新聞 10月6日)

弟のドクさんは葬儀後「一つしかない臓器を自分がもらえたり、ベトが犠牲となってくれたから僕は生きていられる。とても感謝しており、ベトの分も生きていきたい」と静かに語った。(東京新聞 10月7日)
by illcommonz | 2007-10-06 16:01
▼一回休み
d0017381_772835.jpg
by illcommonz | 2007-10-05 07:08
▼ラディカルロマンティズム原論
d0017381_6544541.jpg「僕らはみな非連続の存在であって、理解できない運命の中で孤独に死んでゆく断片である。でも僕らは「失われた連続性」に対するノスタルジーを持っている。僕らは自分たちが偶然の断片であり、やがて死ぬべき断片であるという、僕ら人間が置かれている状況に耐えることができないのだ。僕らは自分たちがやがて死ぬべき断片であり続けるという事実にいつも不安を感じていると同時に、僕らすべてを再び存在に結びあわせる、あのはじまりの連続性への想いを常に持ち続けている」 ジョルジュ・バタイユ「エロティシズム」(イルコモンズ訳)
by illcommonz | 2007-10-05 07:05
▼もどせ、もどせ、原点にもどせ
d0017381_641542.jpg民営郵政初日に簡易局68局を一斉閉鎖、
公社発足以降最多

全国で簡易郵便局の閉鎖が相次いでいる問題で、郵政3事業が民営化された1日、長野県や北海道など16道県の68局が一斉に閉鎖された。日本郵政公社から業務を委託されていた個人や農協などが民営化を機に受託を打ち切ったためで、一度に閉鎖された局数としては、2003年4月の郵政公社の発足以降で最多という。郵便局会社によると、閉鎖されたのは長野県で19局、北海道で16局、鹿児島県で6局、三重県で5局、愛知、福岡、岐阜県で各3局など。1日現在の簡易局4299のうち、「一時閉鎖」は417局となり、8月末現在の310局から107局増えた。(読売新聞10月2日)


・・・ある日のこと、村を散歩していたローランド・ヒルが、ある家の前を通りかかると、郵便配達夫がロンドンから届いた手紙を、その家の娘に渡そうとしていました。ところが、その娘は「すみません、私にはお金がありませんので、この手紙は受け取れません」とそう云って配達夫に手紙を返そうとします。それを見て気の毒に思ったローランドは「よろしい、私が代わりにお金を払ってあげましょう」と申し出ました。するとその娘はたいへんこまったような顔をしました。不思議に思ってローランドが娘にたずねると、娘はこう云いました。

「私には結婚の約束した人がいます。この手紙はロンドンにいる彼からの手紙です。でも私はとても貧しいので、郵便料金を払うことができません。そこで彼と話しあって、封筒にしるしをつけてもらうことにしたのです。封筒にそのしるしあれば、それは彼が元気だというあかしで、彼が私のことを変わらず愛してるというしるしなのです。だから手紙を受けとらなくてもよいのです」。

ローランドはこの娘の話をきいて、それまで一度も考えたことのなかった「郵便のしくみ」について考えなおしてみることにしました。

d0017381_643730.jpgやがて、ローランドは、それまでの郵便のしくみとはまったく発想の異なるあるアイデアを思いつき、それを「郵便制度改革:その重要性と実用性」という小さな本にまとめました。

その当時の郵便料金は、手紙の重さと配達される距離によって決まり、その料金は受取人が払うしくみになっていました。その結果、お金持ちたちだけが互いに手紙をやりとりすることができ、郵便は、ひとにぎり裕福な人びとと読み書きのできる人たちだけのものでした。そこでローランドは発想をきりかえ、こんなふうに考えました。

「手紙の送り先がどんな遠くても近くても、郵便料金をすべて1ペニーにし、料金を前払いにしてみてはどうだろう」

そうすれば、手紙を出す人たちの数が増え、近くの土地への郵便料で、遠くの土地への郵便料を補うことにはならないだろうか。しかも、そうすれば、誰でも気軽に郵便を使えるようになり、手紙を書いたり読んだりするために字の読み書きを覚えようとするだろう、と。

はじめは誰も相手にしてくれませんでしたが、ローランドは何年もかけて、議会を説得し、ついに郵便を国の公共事業にすることに成功しました。

d0017381_6433489.jpgそして、1840年5月、イギリスで世界最初の切手である「黒い1ペ二ー」と「青い2ペンス」の切手が発行され、ローランドが考えたとおり、このしくみはとてもうまくゆきました。ローランドが考え出したこの郵便制度はすぐにヨーロッパ中に広まり、やがて日本でもこのしくみが使われるようになりました。

[参照サイト]
Wikipedia:ローランド・ヒル
最初の切手
英国郵政改革物語
チャールズ・ハンディ『パラドックスの時代―大転換期の意識革命』
........................................................................................

今回の郵政民営化では「これまでどおり」ということがしつこいくらい云われているが、おそらくそれは最初だけで、これから郵便事業が本格的に民営化=企業化=ビジネス化すれば、かならず「これまでどおり」にはいかなくなるはずである。そこでいちばん危惧しているのは「均一料金制」が廃止されることである。これは非常にこまる。なにがこまるのかといえば、それは単に郵便料金が上がるからではない(いまは携帯電話やメールがあるので、もとより手紙をやりとりする機会は多くはない)。そうではなく、この持ちつ持たれつの「均一料金制」がなくなってしまうと、知らないもの同士が知らないところで互いに支え合い、補い合いながら維持されてゆく共同体的社会のあり方を示す実例がなくなってしまうからである。

この「均一料金制」は「この世は金がすべてであり、金があれば何でもできる」というネオリベ資本主義の世界に残った数少ない共同性のシステムである。もちろんこれが失われたからといって共同性の原理が失われるわけではないが、現実の社会のなかに実在する実例がなければ、そのリアリティが失われてしまう。なにより子どもたちに共同性を説明するときにこまる。共同性が「そのむかし」という言葉で語られるような過去の物語になってはこまる。だから、なんとしても「均一料金制」だけは残しておかなければならないのだが、本当にこまったところは、公共事業が民営化されて営利目的の企業活動になると、公共の意見が反映されなくなることで、いずれは「競争力をつけるため」だとか「収益の向上」なんかを口実に「均一料金制」は廃止されるだろう。民営化で失われるのは、地方の郵便局だけではないのだ。本当にこの国の政府ときたら、ろくでもないことしかしない(ばか)。

こんなことばっかりしてるから、人間どうしのつながりや他者との共存の意識が見えなくなり、斧で首が飛ぶのだ。人心の荒廃は必ずどこかでその時代の悪政や失政と結びついている。新教育基本法、共謀罪、憲法改訂その他もろもろのことを考えるとますます気が滅入ってくるが、しかし、どうすればいいかだけは、ものすごくはっきりしている。簡単なことだ。元にもどせばいいのだ。もどせ、もどせ、原点にもどせ、原点に帰れ、である。こう云うと、なんだか十九世紀のロマン主義みたいだが、しかし、どんなものでもそれがはじまったときは悪いものではなかったはずだ。これまで世界のいろんな民族や社会の例をひきながら文化人類学が報告してきたように、世界がバランスを失い、狂いはじめた危機の時におこなわれる祭や儀礼は、だいたいそんなふうにできている。原点回帰のためのリブートの祭。おおざっぱいえば、それしかないような気がする。これ以上、斧で首がとばないようにするには、それしかないと思う。もどせ、もどせ、原点にもどせ、元にもどせ、原点に帰れ、人間たち。
by illcommonz | 2007-10-05 06:52